★仕組み化★中小企業のファイル共有(アクション編)

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★仕組み化★
「仕組み化」や「業務フロー設計」に関する何でもありのコーナー

「在宅ワークをしたくても、うちの会社は各自のパソコンにデータを保存しているからなぁ…」

緊急事態宣言で再びリモートワークが推奨されるなか、業務で使用するデータファイルを共有して
いなかった中小企業の「初めてのファイル共有」をテーマにしています。
「基礎知識編」では、導入が手軽なオンラインストレージを検討するための基本的な知識について
書いてみました。
今回の「アクション編」では知識をもとに、導入に向けた初期のアクションをどうとるかに触れて
いきます。

シクミカが主に支援するのはこの後に続く「運用ルール編」の部分、社内でファイル共有を使いこ
なしリモートワークを効率的に進めるファイリングルールや運用の手順づくりです。
そのためファイル共有する方法や導入でお困りのお客様には、従業員規模やエリアに応じてシス
テム対応を専門としている協業先をご紹介しています。
この「アクション編」では、これまで販売代理店やシステム会社と取引がない企業が、緊急事態宣
言下で安心してサポートをお願いできるところを自分で探す際のはじめの一歩をお伝えします。

 

お試しのオススメ


オンラインストレージサービスを検討する場合、気になるサービスでぜひ実施していただきたいの
は、各サービスで提供されている「●日間お試し」や「無料トライアル」です。
オンラインサービスがどんな使い勝手か、お試しを申し込むと事前に限られた期間で試すことがで
きます。

 

<Google Workspaceのお試し案内>
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<boxのお試し案内>
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似たようなサービスでも、操作がしやすいもの、画面がみやすいもの、自社の業務との相性もあり
ますので、お試しを使ってから利用サービスを決めたほうが安心です。
またオンラインストレージのデータの共有方法として、次の2つのタイプがあります。

 

タイプ1)
Googleドライブのように、共有スペースにあるデータファイルを開いて、そのまま編集・
上書きすることができるタイプ

内容の編集のために、いちいちファイルをデスクトップにダウンロードすることはありません

タイプ2)
どこでもキャビネットのように、共有スペースが最新データファイルの置き場になって
いるタイプ

内容を編集する時は各自がデスクトップにファイルをダウンロードして行い、編集後に再び最新
版を共有スペースにアップロードして共有します

<どこでもキャビネットの画面イメージ>
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このような共有方法のタイプもどちらが使いやすいか、会社の運用にあっているか確認してみてく
ださい。

 

導入支援と必要なIT投資の考え方


ITを活用したいと考えても、これまであまりITやシステムを活用していなかった企業では、気軽に
質問できる相談先を持っていない場合もあります。
オンラインストレージの利用はネット申し込みだけで完結できるものもあり、多少システムの理解
ができる方なら、販売代理店を頼らなくても利用可能です。
しかし自分たちだけでの導入に不安があるなら、導入サポートをしている販売代理店を活用して
負担やハードルを減らすのも有効な考え方です。

そして導入サポートをお願いする取引先では、新たな機能の導入だけでなく、その後の利用で不
明点や不具合が出た場合に対応してもらえるサポート体制も視野に入れて考えたほうがよいでし
ょう。

例えばオンラインストレージに業務のデータファイルを共有して仕事をする場合、ネット接続が不
安定でつながらなくなると、全員で全ての仕事ができなくなってしまいます。
そんな場合に自社でネット接続の復旧対応までこなす自信がなければ、相談できる先を確保してお
くことも必要なIT投資になります。

 

代理店・システム会社の探し方


外出や対面での営業に気をつかう現在は、新たな取引先の開拓で積極的に動き回るのは気が引
けるかもしれません。
そこでまず既存の取引先に代理店として対応してもらえる先がないか、試しに聞いてみる方法が
あります。

例えば複合機やビジネスホンをお願いしている取引先です。
リコーの複合機を使っていて大塚商会と取引があれば、「SharePoint Online」「box」「dropbox」
「どこでもキャビネット」など多くのサービスの販売代理店となっています。
他にパソコンなどのOA機器を扱っている取引先や、オフィスの内装工事をお願いしている取引先
も候補になります。

自社の取引先で相談できる先がなければ、同じような業界や人員規模ですでにファイル共有をし
て仕事をしている経営者に「どんなサービスを利用しているか」、また「導入やサポートをお願い
している対応がよい代理店・取引先がないか」を聞いてみるのもいいでしょう。
あまり詳しくない分野で新たな取引先を探すには、取引先の力量や対応レベルを判断しかねます。
「ただ導入したらいい」とその場限りの対応をとる販売代理店・システム会社では、導入後のサポ
ートで期待ができません。
その点、知り合いの会社で問題なく取引を続けている販売代理店やシステム会社なら、ゼロから
手探りで探すより安心です。

また同じオンラインストレージサービスを利用するにも、販売代理店ごとに取り扱う料金プランや
サポート体制、コールセンターの使い勝手、支払方法の選択肢で独自の対応をしているケースが
あります。
販売代理店に支援に入ってもらうなら、自社が希望するプランやサポート体制を提供しているか、
予め問い合わせて確認をしておくことをお勧めします。

 

導入にあたっての注意ポイント


オンラインストレージを導入する場合は、自社単独での導入、販売代理店に依頼する導入ともに
以下のような注意が必要です。

1)利用料金
「1契約あたりいくらで何ユーザーまで対応」という契約や、「ユーザー1人当たり月いくら」の
契約など契約方法が異なります。またサービスによっては1法人1契約の決まりもあって、グルー
プ会社で利用の場合は何契約分になるか事前確認が必要です。ユーザー数に上限がある料金プラ
ンなら、現時点の従業員数だけでなく、近い将来の人員計画も前提に選択すると安心です。

2)データ容量
契約企業ごとに容量が決まっているケースと、ユーザー1人当たりの容量をユーザー数に応じて
割り当てられるケースなど設定方法が様々です。
トータルで利用できる容量が自社の業務内容にあっているか、例えばファイルのデータサイズが
大きいデザイン会社なら多めの容量確保が必要になります。

3)セキュリティレベル
個人情報を扱う業務内容なら、こまめなパスワード設定が可能かなど、情報漏洩が起こらないセ
キュリティ対策を確認します。

4)業務システムとの相性
取引先やグループ会社から指定された業務で使うシステムがある場合、業務システムを利用する
要件(例えばネットのブラウザはInternet Explorerを使用など)と、オンラインストレージの
導入で合わない要件がないか、対策がとれる要件か事前チェックが欠かせません。

5)支払方法・解約ペナルティ
クレジットカードによる年間払いでも経理上問題ないか、または月額料金を口座引き落としする
方法がよいか、支払期間と方法も把握しておきましょう。
さらに支払期間と連動する解約のペナルティがどうなっているかも重要です。
年間契約のサービスだと、利用開始後数ヶ月で途中解約ができないものがほとんどです。

6)サポート体制
操作でわからない場合の確認先が用意されているか、コールセンター、お問い合わせフォーム、
メール、チャットなど受付方法とサポート時間もポイントです。

 

ここまでファイル共有をしていない中小企業が、安心してサポートをお願いできる販売代理店や
システム会社を探す初期のアクションをまとめました。
もしこちらで紹介した方法でもまだ解決が難しく、身近によい相談先が見つからなくてお悩みの
場合は、お問い合わせフォームからご連絡ください。

最後は、ファイル共有ができた後に抜けがち、でも社内で機能を活用するのに欠かせない運用ル
ールをどう作るかの「運用ルール編」に続きます。