★仕組み化★「業務マニュアル作成」前の注意点
★仕組み化★
「事業の仕組み化」に関する何でもありのコーナー
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ここ最近、業務マニュアル作成のお問い合わせを相次いでいただくことがあり、
その時にお話した業務マニュアル作成に関する注意点を共有します。
「たかが業務マニュアル、されど業務マニュアル」で、状況によっては事業継続を
脅かすほど危険なリスクが潜んでいる可能性があります。
経営者が「業務マニュアルを作成しよう」と思い立った際は、ここで解説するポイント
の事前確認お勧めいたします。
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一般的に、業務マニュアルを作成して、誰もが同じ手順で、同じ品質で業務をできる
ようにするのはとても良いことです。
仕事内容が整理されて、複数の担当者がスキルを共有できて、突発的な担当不在
でも別の人が対応できるようになります。
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ただし経営者の立場で会社運営を考えた場合はプラスですが、社員の立場で自身の
仕事のマニュアル作成を指示された場合は、必ずしもプラスに受け取るとは限りません。
ここからは業務マニュアル作成時に経営者がぶち当たる壁をご紹介します。
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1)担当者が手順を出せない
「業務マニュアルを作るから手順を出してください」と社員に指示しても、なかなか出て
こないことはよくあります。
ひとつは「どう手順を出したらよいか、出し方がわからずに迷ってしまう」ケースです。
社員へ協力をお願いするなら、簡単な記録のお願いからがよいでしょう。
日常の仕事を進めながら
ㅤ1.どんな目的の仕事か
ㅤ2.どの順番・方法で進めるか
ㅤ3.判断するポイントは何か
を箇条書きでメモしてもらうところから依頼します。
大まかな流れを出したところで、より詳しく具体的に確認していきます。
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2)担当者が手順を出すのを面倒くさがる
「日常業務もあるのに、さらに業務マニュアルも作成するなんて面倒」というケースです。
その場合は「なぜ業務マニュアルを作るか」背景と重要性を説明して、さらに業務
マニュアルをつくると担当者にも休みがとりやすくなったり、引き継ぎが楽になったり、
メリットがあると理解と協力をもらえるよう話をしていきましょう。
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3)自分の立場を守りたいから業務マニュアルを作りたくない
経営者が社員の本音を見抜くのが難しく、しかも一番リスクが高いケースです。
担当者が自分のやりたいように仕事をしたいため、重要な仕事をひとりで抱え込んで、
「この仕事をできるのはあなたしかいない」と有利な状況を作り出しています。
この傾向を持つ担当者がいた場合は業務マニュアル作成にとどまらず、組織体制や
部下の育成についても注意が必要です。
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実際にあった話として、「業務マニュアルを作りたい」とお問い合わせがあった企業で
廃業を考えるまでの深刻な事態を聞きました。
社長は社員の負担を考えて業務マニュアル作成をアウトソーシングする予定でしたが、
マネージャーから「社内で業務マニュアルを整備する」と伝えられたため、社長は社員
を信じて業務マニュアルの完成を待つことにしました。
しかし一向に業務マニュアルは完成せず、社長がマネージャーへ進捗を確認したら
マネージャーは怒りだし、社長と大ケンカの末に突然退職していったそうです。
このマネージャーこそ、自分の立場を守りたい危険な担当者だったのです。
マネージャーが全てを抱え込んでいたから、社長も詳細な業務手順がわからないまま、
一緒に仕事をしていた部下も指示待ち人間で育成されて自発的に動けないため、
社内業務が崩壊して、事業へ非常に大きなダメージを受けることになりました。
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もしこのような社員がいると気づいた場合、業務マニュアルを作成する前にその社員が
突然いなくなる事態に備えて、徐々に重要な仕事への関与を減らしつつ、他の社員を
育成しながら先に環境を整える必要があります。
このタイプの社員はいずれ問題を起こして辞める可能性が高いため、どこかの
タイミングでいなくなることも想定して、体制変更や人材採用・育成へ着手します。
来るべき時が来たならば、引き留めずに、速やかに去っていただくようにしましょう。
その際に、退職者がサーバー内のデータを削除したり資料を捨てたりしないように、
もしそうなっても復旧できるようにしておくのも重要です。
願わくば、その社員に引き続き能力を発揮して働いてもらえるよう、希望する業務
への異動や新規事業の担当指名などを打診して、環境の変化とともに仕事への
取り組み方を改めてもらえるならベストです。
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このように業務マニュアル作成は、ただ手順を明確にするだけではなく、仕事の進め方
を変えて、社内文化を変えるきっかけにもなります。
実際に業務マニュアルを作成すると、新規採用につながったり、新しい人材が育って
世代交代が進んだり、売上や単価、仕事の品質が上がったり良い影響がでてきます。
一方で、旧体制を好んでいた社員は居心地がよい環境を失って、自然と会社から
離れていきます。
業務マニュアルの作成は表面的なアクションの一つで、その根本にある経営者の
考え方の変化をうけて、社内に様々なハレーションを起こす場合があります。
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また業務マニュアルは、作っただけだと使われません。
新たに標準化された手順にそって働く文化を根付かせ、作成した業務マニュアルを
常に更新して使いこなす人材育成も大切です。
業務マニュアルは作ることにフォーカスされがちですが、社内でしっかり活用できるよう
に遵守と更新・維持を習慣づけていくほうが何倍もパワーがかかります。
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以上のとおり「業務マニュアル作成」では、社内をよく観察して、自社が今どのような状況
にあるか見極め、進めていく慎重さも必要です
シクミカで業務マニュアル作成のお問い合わせをいただいた際に、「なぜ業務マニュアルが必要か
社内の状況や経営者の困りごとはどんなことか」詳しく伺っているのも、このような理由からです。
ポイントを押さえて業務マニュアルを整えていけば、より大きなメリットを得られて、
社内の風通しも大幅に改善されます。
ちょっと事前確認をするだけで結果が変わりますから、これから業務マニュアル作成に
チャレンジされる場合はぜひお試しください。