★仕組み化★経営者がいい支援者を見極める方法

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「事業の仕組み化」に関する何でもありのコーナー

「どんな人に経営支援をお願いしたらいいのだろう?基準がわからない…」

中小企業の経営者は、会社のことを全て対応する何でも屋になりがちです。
しかし経営環境の変化が早く、必要な知識も多くなる時代では、経営者がひとりで会社
を支えるスタイルは限界になっています。
そんな時は、経営者を支援してくれる専門家や支援者の活用が考えられます。
しかし自社にあう支援者を探してみるものの、どんな人にお願いをしたらよいか決めら
れない悩みが多いと言われています。
今回は、中小企業の支援を推進する複数の機関からこっそり教えてもらった、「経営者
がいい支援者を見極める方法」をお伝えいたします。

変わってきた中小企業の支援方法


ここ数年で、中小企業の支援方法が大きく変わってきています。
令和4年3月に中小企業庁がこれからの中小企業支援の在り方として、「経営力再構
築伴走支援モデル」を提唱しました。
一般的には「伴走支援」と省略されていて、支援機関やインターネットでも見聞きする
ことがあるのではないでしょうか。

この「伴走支援」とは、「支援者が経営者との対話と傾聴を通して本質的な課題に気づ
くよう促し、対策を一緒に考え、潜在力を発揮させ、経営者自らが社内変革の道筋を立
てることを支援する」ものとされています。
従来の中小企業支援は、支援者が解決策を提示する課題解決型で、支援している間
だけの一時的なサポートだったのに対し、長期間に渡る継続的な課題設定型の連続サ
ポートに変わってきています。

経営者と支援者の関係期間が長くなればなるほど、いい支援者との出会いが支援結
果に大きく影響するようになりました。

経営者に人気がある支援者像


では中小企業の経営者の間では、どんな支援者に人気があるのでしょうか。
中小機構の研修に参加していた際に、講師の方が面白い話をしてくださいました。

国が全国に設置した無料の経営相談所「よろず支援拠点」で、支援実態を把握するア
ンケートを取ったそうです。
その時に「どんな支援者がよいか」回答をお願いしたところ、人気の支援者にある特徴
が出ていたというお話でした。
その特徴とは「話を聞く割合が多い人」だったそうです。

支援者と話をしたことがある経営者で、こんな経験はないでしょうか。
相談事項を話したら、会社の状況をよく聞かないまま一方的に
「あ~、良くある話ですね。これを解決するには・・・」
と指導が始まってしまい、しかも内容が聞きたいことからズレている。
または、質問に回答してくれた話の用語がよくわらなくて、もっと詳しく確認したい
のに質問をするタイミングを逃したまま消化不良で終わってしまう…。
こんな状態では支援をお願いしようにも、土台になる信頼関係が作れません。

経営者には、自社がどのような状態かよく聞いてくれて、自分が今、何に困ってい
るのかをしっかり聞いてくれる、そんな支援者が求めてられているとわかります。

自社にあう支援者を見極める質問


では経営者が自社に寄り添ってくれるよい経営者を見極めるには、どうしたらいいで
しょうか。
ここについては、中小企業の様々な支援策を策定している中小企業庁の方が直々に
教えてくださいました。
支援者を選ぶ際に重要なポイントは、以下の2つの要素です。

1)うちの会社が困っている分野に詳しい専門化か
2)その分野で確かな実績がある専門化か

支援者の活用に慣れていない経営者がやりがちな失敗例がこちらです。

「あたなは、この分野を支援できますか?」×

どうでしょう、これまでを振り返って、こんな質問を投げかけたことはないでしょうか。
この質問の仕方だと、多くの専門家はこう回答します。

「はい、できます!」

企業を支援する専門家として「できません」とは答えにくいものです。
またできるか、できないかと言われると、実務経験がなくても詳しい人に聞いたり、ネット
で調べたりしながらできないこともなかったりします。
しかし困っている経営者が期待するレベルでできるかというと、話はまた変わってきます。
「そんな時は、ぜひこう聞いてください」と教えてもらったのが、この確認方法です。

「あなたは、この分野が得意ですか?」○
→得意な場合「はい、得意です!」
→不得意な場合「いや、私は~の専門家なので、この分野は得意ではありません」

「これまでの実績はありますか?」○
→実績がある場合「過去に~件の経験があって、支援結果は~となっています!」
→実績がない場合「この分野では、今のところ実績はありません」

いかがでしょうか、ここまで具体的に確認できたら事実をもとに確実性がアップします。
難しいことは何もありません。
ただちょっとだけ質問の方法を変えることで、より安心な支援者にたどり着ける可能性
が高まります。
もし確認をした支援者が該当でなければ、その分野を得意として、実績も豊富な専門家
を紹介してもらうお願いにもつなげられます。

まとめ


ここまでの話に出てきた機関は、いずれも中小企業の支援を行う最前線です。

1)中小企業や小規模企業に関連する任務を担う経済産業省下の「中小企業庁」
2)国の中小企業政策の中核的な実施機関「中小企業基盤整備機構(中小機構)」
3)国が全国に設置した無料の経営相談所「よろず支援拠点」

これらの関係者が話す見極めのコツなら間違いない手法です。
難しい知識やノウハウは一切なく、少しだけアンテナをはって、確認方法を変えるだけ
で、自社にあう支援者を格段に見つけやすくなります。

【経営者がいい支援者を見極める方法】
コツ1:経営者である自分の話をしっかり聞いてくれる支援者かどうか
コツ2:支援者の見極めは「この分野が得意ですか?実績はありますか?」

自社に合う支援者を見つけるには、経営者はもちろん、一緒に社内変革を進める
リーダー社員や社風とも相性が大事です。
知り合いの経営者から進められた支援者でも、事前に会って話をして、あなたや会社
との相性を確かめてみてください。

ちなみにシクミカでも、最初に事業への想いや大切にしていること、経営理念や事業計
画、経営者の方の人生の目標などを伺ったりしています。
「こんなことを聞いてどうするのか?」と思わずに、ぜひお話をいただけたら幸いです。
このようなお話を通じて、シクミカと経営者の方の相性を確認いただいているからです。

さっそく見極めのコツを取り入れて、会社の成長を一緒にサポートしてくれるよい支援
者と出会えることを祈っております。