★仕組み化★IT導入後にフル活用する5つのヒント
★仕組み化★
「仕組み化」や「業務フロー設計」に関する何でもありのコーナー
「システムを導入したけど使ってくれないし、仕事も効率化されていないなぁ」
中小企業のIT化を支援する補助金や助成金が増えているなか、システム会社から
「今ならシステムが○○万円で導入できます、チャンスです!」と言われて新たに
システムを入れた企業は多いのではないでしょうか。
しかし導入した後に活用が進まなくて悩む経営者のお話をよく聞きます。
新型コロナウイルス感染症の影響でリモートワークが進んだ昨年は、システム導入
に踏み切った企業も多く、今年は特にそんな経営者の悩みが増えそうです。
今回は投資をしたシステムをフル活用するヒントについてお伝えしてまいります。
IT導入に関する課題と生産性の向上
少し前2018年版の中小企業白書になりますが、ITの活用による労働生産性の向上を
テーマに、様々な切り口で経営者へ行ったアンケートがありました。
2018年版 中小企業白書
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H30/PDF/h30_pdf_mokujityuu.htm
その中で興味深いのは、「中小企業がIT導入・利用を進めようとする際の課題について」
です。
下記は調査結果のグラフになりますが、トップの「コストが負担できない」を補助金や
助成金でクリアした後に続いているのは
「導入の効果がわからない評価できない」
「従業員がITを使いこなせない」
「業務内容に合ったIT技術や製品がない」
と自社の業務へのマッチングや効果、従業員のIT活用に関する課題が続いています。
もうひとつ変わった角度からの分析として、IT導入後に生産性が向上した企業へ最も影
響が大きかった取り組みについてのアンケートがあります。
生産性の向上に効果が高いのは「業務プロセスの見直しを合わせて行った」で、さらに
以下のような取り組みが続いています。
「導入前に、利用予定の従業員の意見を聞いた」
「IT導入の目的・目標が明確だった」
「導入後にIT、業務改善等の従業員教育を行った」
これらの導入前の課題と導入後に効果があった取り組みを紐解くと、「自社の業務内容
をきちんと把握できているかどうか」に読み替えられます。
ここでいう業務の把握とは、1)社内にどのような業務が存在して、2)誰がそれを担当
していて、3)どんな手順で進められていて、4)より効率よく仕事をするのに何か課題
になっているか、という4つのポイントを抑えることです。
IT導入と業務の把握の関係
まず導入前に自社の業務内容を把握して課題を明確に理解しているなら、本当に「業
務内容に合ったIT技術や製品がない」か判断できます。
さらに課題解決にふさわしいシステムがあれば「導入の効果がわからない評価できな
い」もなくなるはずです。
どの業務へシステム導入するかを特定できれば、利用する従業員を対象に、想定され
る質問や操作方法の教育を実施すると「従業員がITを使いこなせない」も解消できます。
また導入後に生産性を高めた取り組みでは、業務内容を把握して優先順位が高い課題を
取り上げたなら「IT導入の目的・目標が明確だった」といえます。
業務をよく知る従業員へ「導入前に、利用予定の従業員の意見を聞いた」対応をとって
いたなら、より確実なシステムの選定が可能です。
その中で従業員から上がった不安や疑問へ「導入後にIT、業務改善等の従業員教育を
行った」となれば、導入後の運用もスムーズになります。
このような一連の動きが最終的に「業務プロセスの見直しを合わせて行った」につな
がったと考えられます。
つまりIT化・システム活用のカギは、IT導入の前と後いずれにおいても「いかに自社の業
務を把握して課題を特定し、適切なシステムを選定して、ふさわしい業務フローへ見直し
て、必要な従業員教育を行うか」にかかっているのです。
ITを活用する5つの対策
IT導入後の活用にお悩みの経営者には、以下の5つの振り返りが対策と考えられます。
IT導入後の活用への対策
1.どの業務の課題をITで解決しようと考えたか(=IT導入の目的や目標の明確化)
2.選択したIT・システムは目的にふさわしいものであったか
3.現場の従業員はIT導入後に何を感じているか
4.従業員教育で解決できることはあるか
5.新たに導入したIT・システムに業務フローが適しているか
この5つの振り返りで改善が必要な部分を特定できたら一歩前進です。
もし経営者一人で特定が難しい場合は、社外の専門家に相談する方法もあります。
IT活用に関する相談先
2018年版中小企業白書の中では、「社外におけるITに関する事柄の日頃の相談相手」に
ついても聞いています。
回答結果をみると、上位は「地元または地元以外のITメーカー・販売会社」です。
補助金や助成金を活用したケースであれば、導入時に取引したシステム会社が該当する
でしょう。
ただしシステム会社の多くは導入までのサポートが主で、導入後はシステムの操作に関し
てはコールセンターがあるものの、導入先企業での運用相談まで対応していない場合が多
いです。
では次に候補になる相談先はというと「公認会計士・税理士」「社労士」などの士業や
「金融機関」となっていますが、彼らはお金や人事の専門家であってITや業務の相談先に
なってもらえるとは限りません。
「ITコンサルタント・ITコーディネーター」ならITの専門家ですが、自社の業務に関わる
運用まで相談できるかは確認が必要です。
このような場合に必要なのは、業務内容を理解したうえで自社の仕事の仕組み化にどうIT
を活用するかといった順番で考えるアドバイスです。
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