★仕組み化★中小企業の課題はDX化?

★仕組み化★
「事業の仕組み化」に関する何でもありのコーナー

先日、同じ中小企業の経営者を支援されている専門家と話をしていたときのことです。
セミナーの講師として打ち合わせに出向いた地方の商工会議所で、職員さんからこん
なお話があったそうです。

「今の中小企業の課題はDX化です。だけどなかなか進みません。何をすればいいの
か、誰に頼んだらいいのかわかりません。」

このような悩みは中小企業の経営者の方からよく聞きますが、経営者の相談にのる商
工会議所の職員さんも同じことで困っていたとは思いもよりませんでした。
このDX化というワード、よく聞きますがいまひとつ実態がつかめません。
経済産業省のガイドラインによると、このような定義をされています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客
や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務
そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

シンプルにまとめると「デジタル技術を使って、新規ビジネスを生み出すだけでなく、企
業の文化・組織・業務なども変革させて、競争力がある会社になること」と要約できます。
よく似た言葉にIT化やデジタル化がありますが、この2つはほぼ同じ用途で使用されて
います。
ではIT化とDX化では何が違うかというと、IT化が「ITを活用して業務効率や生産性を
上げること」で使われるのに対し、DX化は「単なるIT活用にとどまらず、組織や業務等
ビジネスの仕組みを変革していくこと」で使われて、目指すゴールに違いがあります。
IT化の先、ワンランク上にDX化があるイメージです。

人口減少で人手が減るこれから、中小企業が事業を継続して生き残るにはITの活用
で生産性を上げる対策が欠かせません。
ただ「DX化」という抽象的な課題でとらえると、具体的に何をしたらいいのか全然イメー
ジがわいてこない、商工会議所の職員さんの状態になると考えられます。

実際に中小企業のIT導入をサポートしている立場で回答をするなら、いきなりDX化を
目指すのはハードルが高く、まずは目の前のIT化から始めるのが現実的です。
その場合に最初にやるのは「仕事の手順の見える化」になります。
「業務分析」という言葉でいわれたりもします。

今、自分たちがしている仕事が「どのスタッフの、どんな作業によって、どんな道具を使
って、どんなふうに、どのぐらいの時間をかけて進められているか」を、スタッフ本人の
箇条書きでいいのでメモへ書き出していきます。
このように日々対応している仕事を書き出して観察すると、徐々に見えてくるものがあり
ます。

「Aさんの仕事と自分の似た仕事が被っている、一緒にできないだろうか」
「Bさんの仕事は、前後の順番を入れ替えたら効率が良くなるかもしれない」
「もっとミスなく、スピードを速く進められる方法はないかな」

見えたことを課題として、より良くする方法を考えたときに「ITを使った解決がいい」とな
ったらIT化をスタートさせます。
この時の解決案でIT化以外の方法がよければ、無理にIT活用することはありません。
ちなみに「担当者が仕事の手順を箇条書きしたメモ」は、簡単な業務マニュアルとしても
利用できるから一石二鳥です。

「DX化をしよう」という発想から取り組むと、何をしたらいいかわからないし、システムを
導入することだけに頭がいってしまい、手段が目的になって失敗の道をたどります。
「中小企業はDX化が課題」というのは本質的ではなく、中小企業の目先の課題は仕事が
担当者に頼り切っている(属人化)状態で、「社内の全体最適の視点から何が問題か
はっきり見えていないこと」と言えます。

もしDX化でお困りであれば、地道な方法でも自社の仕事・業務でどこに問題があるのか
「仕事の手順の見える化」で特定して、的を絞ったIT化から着手をお勧めいたします。
「仕事の手順の見える化に挑戦したけれど解決策が見えない!」そんな経営者さんが
いらしたら、何が課題か・解決策かを一緒に探しますので、どうぞシクミカの初回無料相
談をご利用ください。